なんだかんだ早いもので…

『ふたがしら』放送まで3週間を切りましたね

わたくしもwowow加入して用意万端

今日は公式HPに連載されている「撮影道中記」第1回~3回までをご紹介




ふたがしら撮影道中記
第一回 四月十七日

『ふたがしら』を楽しむポイント1

オノ・ナツメ×中島かずき 真逆のふたつの個性が作り出す
新感覚時代劇盗賊エンターテインメント『ふたがしら』


6月からスタートする連続ドラマW初の時代劇盗賊エンターテインメント『ふたがしら』。オノ・ナツメ(原作)×中島かずき(脚本)×入江悠(監督)×松山ケンイチ(主演)という豪華な才能が集まり、期待が高まります。

これから10回に渡り、『ふたがしら』の魅力にいろいろな角度から迫っていきますのでどうぞおつきあいください!

第1回目は、『ふたがしら』の根幹を成す、原作者・オノ・ナツメの世界とそれを脚本化した中島かずきの世界について。おふたりが京都の撮影所に見学にいらしたレポートも交えてお届けします。

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弁蔵と宗次、そのもの!オノ・ナツメ感嘆

「撮影を見に来るのを楽しみにしてたんですけど、すごく楽しい!」

オノさんは京都撮影所で終始瞳をキラキラさせていました。

撮影は中盤に入った頃で、入江悠監督いわく「手さぐりで撮影してきたなか、ようやく弁蔵(松山ケンイチ)と宗次(早乙女太一)の人物像が見えてきた」と、強い手応えを感じていた時期でした。

話数の順番ではなくバラバラに撮っているため、この日は5話(最終回!)で、弁蔵が盗みに入る家の情報を得るために主人と飲み比べをする場面。東映京都撮影所のスタジオの中に立て込まれた座敷のセットで撮影を見たオノさんは、「酔ってご主人に絡んでいるところを見て、弁蔵がいる!と思いました。まさに弁蔵そのものだし、それに対する宗次の無表情な態度もまさに宗次!漫画が動くとこうなるんだと嬉しくなりました」と絶賛です。

オノさんが描いた『ふたがしら』は、若い盗賊が自分たちの一味をつくるべく、次第に成り上がっていくドラマ。まだ何者でもない弁蔵と宗次が頂点を極める前の不完全な若者の成長劇という側面と、盗みという反社会的なフィルム・ノワールの側面の二つの魅力が匂い立ちます。


「漫画だと、ふたりはまだかっこいいところにたどりつく前段階ではあるのですが、松山さんと早乙女さんが演じてくださると、全然かっこ良くて(笑)。漫画では表現できない、実写ならではの役者さんの色気に惹きつけられます。着物の着こなしもステキです」とオノさん。作戦だったはずなのに結局へべれけに酔ってしまうこのシーンの弁蔵の有り様は、ささやかなシーンではあるものの、脚本の中島かずきさんも入江監督もさりげなくこだわった部分。松山さんが弁蔵の酔った動きのアイデアを自ら出し、現場を沸かせていました。

オノさんは中島さんの脚本について、「原作を無駄なくまとめてくださって、ひとつひとつのエピソードが、伏線として生かされ、最後にちゃんとつながっていくことに驚きました」と信頼を寄せていました。

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中島かずきが力を入れたシーンとは?

脚本を手掛けた中島かずきさんは、「最初にプロデューサーから脚本のオファーがあったとき、オノさんの作風はオフビートで、ぼくはオンビートと真逆だから、オノさんの世界観を壊さないだろうか?と思ったりもしましたが、ぼくが脚本を書いた舞台『蒼の乱』(14年)に出演した松山ケンイチさんが主演を務めるというのもあり、また、盗人ものはぼくも昔から好きな世界で、憧れていた『必殺』シリーズの初期などを思い出しながら楽しんで書きました」と語りました。

松山さんも早乙女さんも、中島さんが座付き作家をつとめる劇団☆新感線の舞台『蒼の乱』に出演しており、中島さんは、ふたりの個性を加味しながら『ふたがしら』の脚本を書きあげたということです。
「『蒼の乱』で、ふたりのやりとりがちょっとだけあったので、あれを全編描けたのは楽しかったです。ふたりをイメージしながら、一直線で無鉄砲な弁蔵と、クールでつっこみ役の宗次を思いきり描きました」

原作と少し違うところについては、「原作をリスペクトし、作家が大事にしているところを大事にした上で、原作ではムードになっている部分に少し説明を加えています」とのこと。例えば、盗みの場面の描き方。
「オノさんはわざと漫画ではそこは描いてないとも聞いたのですが、せっかく泥棒ものをやるからには泥棒シーンをディテール含めてアイデアをもって描きたいというのはありました。入江監督も『ミッション:インポッシブル』が好きで、ああいうのがやりたいとおっしゃっていたんですよ」
こうして、表の顔は町人でありながら、盗賊という裏の顔を持つ男たちの騙し合いの頭脳戦と、華麗なる盗みのテクニックが炸裂する痛快盗賊エンターテインメントが生まれました。

また、舞台等で時代劇をたくさん描いている中島さんが撮影現場を見た印象は、「ろうそくの炎のゆらめきを生かしているような照明が良かった。もっといまどきのフラットな画面なのかと想像していたら、奥行きと陰影のある画になっていて出来上がりが楽しみです」とのこと。入江監督や中島さん、そしてオノさんが昔好きだった時代劇の雰囲気も盛りこまれているようです。

弁蔵、宗次の「ふたがしら」のように、入江監督と中島さんの「ふたがしら」体制で、それぞれの才能と個性が掛け合わさって、よりパワーアップしたドラマ『ふたがしら』にどうぞご期待ください!

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第二回 五月一日

『ふたがしら』を楽しむポイント2

入江悠監督が初めて挑む時代劇は、
さまよえる若者たちの旅物語


WOWOW初の連続時代劇『ふたがしら』のみどころをお伝えするレポート連載第2回は、入江悠監督の登場です。

2009年、映画『SR サイタマノラッパー』に注目が集まりシリーズ化もされた入江監督は、最近では『日々ロック』や『ジョーカー・ゲーム』など意欲的に映画作りをしています。

同時にテレビドラマも多く撮っていて、WOWOWでは『同期』『ネオ・ウルトラQ』に次いで今回が3作目となります。

監督は、3月から4月にかけて東映京都撮影所での撮影を終え、4月末現在、編集作業中。その最中に取材を受けていただきました!

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弁蔵の熱さと宗次のクールさが際立った

――いま、どれくらい進行していますか?

入江 1話は、あと音をつけるだけです。

――早く完成を見たいです。どんな感じに仕上がっていますか?

入江 例えば、盗みのシーンはテンポよく、心理的な駆け引きなどの人間ドラマ部分はじっくり見せるなど、速いところとゆったりしたところの緩急あるものになったと思います。物語の展開自体は速くて、1話のなかに見どころが盛りだくさんですよ。脚本の中島かずきさんが原作にないエピソードも盛り込んでくれているので、相当内容が濃くなりました。

――映像化するとき生かした原作の魅力を教えてください。

入江 男ふたりのバディものであり、しかも彼らが江戸、川崎、大阪と旅をしていくところが面白さだと思っています。弁蔵と宗次は、わりとふわふわとノープランで流されるように生きていて、その姿は、現代の若者と近いところがあるような気がするんです。僕なんかもそうで、30代になってもモラトリアム気分が抜けない。いま自分がいるところからどこかに行きたいと漠然と思いながら、でもなかなか行けないという気分を、弁蔵と宗次の姿に重ねながら、最終回で彼らがどれくらい成長するか、楽しみにしていただきたいと思います。

――ドラマと原作の違いはありますか?

入江 中島さんの脚本は熱くて決め台詞も多いです。原作だと裏側になっている登場人物の熱さを前面に出していますし、コミカル度は漫画よりあがっていると思います。特に、弁蔵はまっすぐ熱い男で、それが空回りするところが魅力で、ドラマはその部分が、松山ケンイチさんの演技も相まって強調されています。そんな弁蔵を、宗次役の早乙女太一さんがつねにクールに見つめることで、ふたりのキャラクターの個性が際立ちました。

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昔ながらの時代劇をリスペクトしながら、新たなトライも

――監督にとってはじめての時代劇です。

入江 もともと時代劇は大好きで、いつか時代劇を撮ってみたかったので、今回お話を頂いたときは嬉しかったし、僕が好きだった時代劇の要素を取り入れていこうと考えました。例えば、マキノ雅弘監督に代表される東映プログラムピクチャーなどが好きで、マキノ監督の『次郎長三国志』シリーズなどを意識して、松山さんと早乙女さんにも事前にDVDを見てもらいました。それから、『必殺』シリーズの初期や『雲霧仁左衛門』の世界のような、陰影の深い画を意識しています。そのいっぽうで、旅ものですから、自然は美しく撮っています。場所の変化や季節の移り変わりを感じるものにしたいんです。

――4月上旬、撮影所で雪降らしもやっていました。

入江 大変だからと反対されたのですが、季節感を出すためにどうしてもやりたくて(笑)。

――いろいろトライされているんですね。

入江 旅する時代劇は、昨今では『水戸黄門』くらいしかないですし、しかも若者が主人公の時代劇というのも最近はあまりないですから、『ふたがしら』はかなりの挑戦作になると思います。

――音楽も異色な感じです。

入江 生楽器のジャズやファンクのノリを取り入れることで、『死刑台のエレベーター』のような音楽と映像のぶつかり合いが出ればと思っています。

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クランクアップしてから、松山ケンイチさんと今回できたこととできなかったことをつぶさに出し合い、反省会をしたという監督。時代劇はまだまだ掘り下げていけると展望をおもちのようです。真摯に熱く創作に向き合う監督は、撮影中も、現場で装置の飾り込みが急遽変更になった際、スタッフと一緒に道具を運んでいました。それについて監督は「僕が手伝うことで少しでも現場の進行が早くなるなら手伝います。昔の東映の監督は、儀式のように、まずセットの床を磨くところからはじめていたと本で読んだことがあって。日本家屋は磨けば磨くほど美しくなりますし、汚せば汚すほど味わいも出ますし、手をかけたくなる気持ちはよくわかります」と語ってくれました。丁寧にひと手間もふた手間もかけて作品をよりよくしていく、昔の時代劇作りから受け継いだ精神が、『ふたがしら』からも滲み出てくるはずです。






第三回 五月十五日
『ふたがしら』を楽しむポイント3

弁蔵と宗次のビジュアルイメージの作り方


『ふたがしら』道中記3回目は、弁蔵と宗次のビジュアルイメージの作り方をスタッフさんのインタビューを交えながら、
ルポします。
まずは時代劇を象徴するカツラ。
町人マゲで月代を剃った(額から頭頂部に髪の毛がない)スタイルで、いかに粋に、いかにかっこ良く見せるか、職人さんの細部へのこだわりが伺えます。

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時代劇では男性の役者さんのヘアメイクを手掛ける「美粧」と女優さんのヘアメイクを手掛ける「結髪」と担当が
分かれています。
今回、美粧の大村弘二さんにお話を伺いました。「江戸時代、町人たちのマゲは曲がっているのが粋という美意識がありました。弁蔵と宗次は、町人マゲの『いなせの袋付き』と呼ばれるカツラを着用しています。野性味ある弁蔵は、多少マゲが乱れても気にせず、いつもざっくりバサッとさせています。一方、宗次はいつも油をつけて端正に整えているという違いでキャラクター性を出しています」と教えてくれました。劇中、松山さん演じる弁蔵がマゲを曲げる、いなせな仕草に注目です。ちなみに、このカツラの毛は人毛とのこと!

カツラの扱いで気を遣う部分はカツラと地肌の境目。
「カツラをかぶる前に頭に羽二重という布を巻くため、布と額の差が出てしまうので、それをパテ上のもので全部埋めます。それを専門用語で『つぶし』と言います。びん付け油、おしろい、砥の粉などいろいろ混ぜ合わせ、季節によって固さを変えながら、鍋いっぱいに作っておくと1000人分くらいの量になります」と語る大村さん。

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撮影では本番前、現場付きの美粧スタッフさんが松山さんや早乙女さんに駆けよって額のあたりを何度も入念にカツラの境目をつぶします。表情が動くとどうしても境目が動き目立ってきてしまうからです。そのため、役者さんも表情を動かさずに、じっとつぶし作業を待つ必要があるのです。
「フィルムからデジタルになり、いまでは4Kにまで技術が発達したことで、画像が鮮明になればなるほど、『つぶし』の作業は困難になっていきます」と言う大村さん。デジタル技術の発展と人間の手技の闘いでは、長年の研鑽がものを言います。大村さんは髪結い暦32年のベテラン。20代の頃、北大路欣也さんに声をかけられてその出演作を担当するようになり、現在に至ります。
大村さんによる、松山さん早乙女さんの眉や目の繊細な強さのあるメイクにもぜひ、ご注目ください。

さて、性格の違う弁蔵と宗次の対比を際立たせるもうひとつの要素は着物。今回、衣裳スタッフさんとは別に和装スタイリストの桝藏順彦さんが参加し、弁蔵、宗次、甚三郎(成宮寛貴)、おこん(菜々緒)の4人分の着物を担当しています。

入江監督から「弁蔵はやんちゃでラフ、宗次は粋でニヒル、ふたりの対比が出るように、また、回を追うごとにふたりが成長していくところを、生地や柄で表現してほしい」とリクエストされた桝藏さん。回を追うごとに内面が成長して変化していく様子が着物を見ただけでも感じられるように構成されています。コウモリ柄、ドクロ柄、花札柄…京都の織物作家である桝藏さんが用意した着物はどれも珍しい柄ながら上品で、見ていて心が沸き立ちます。
「松山さんは、ワイルドさを出すために着崩しているのですが、大河ドラマで時代劇も経験して着物に慣れているからか、安っぽかったり柄が悪くなったりし過ぎず、程よいところを見極めるのが非常に巧いです。早乙女さんは、松山さんと逆に端正に着ていただいていますが、とくに無地で薄い色の着物の着こなしが素晴らしい。普通、弱々しく見えてしまうところを早乙女さんは凛と見せていました」と桝藏さんはふたりの着こなしのセンスを絶賛しました。

各話ごとの衣裳チェックはオンエア後の道中記でさらに詳しくお届けする予定ですので、お楽しみに。

この素敵な着物を着付けているのが、衣裳の古賀博隆さん。松山さんや早乙女さんの着こなしの巧さは、古賀さんと現場に付いている服部典子さんの着付けよるところも大きいようです。
「着付けのポイントは、襟元。松山さんは大きく開けて、早乙女さんはきちっと閉めています」と古賀さん。
松山さん、早乙女さんの着付けはもちろん、菜々緒さんへの着付けも鮮やか。頭身が高く、手足も首もとても長く、いわゆる着物を着る日本人体型とはかけ離れている菜々緒さんの襟の抜きや帯の巻き方などが巧みで、盗賊一味の親分の妻らしい艶っぽさがよく出ています。

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古賀さんは、アクション俳優から衣裳の仕事に転向した異色な経歴の持ち主で、これまで膨大な作品の衣装を手掛けてきました。今回、松山さんの着物で馬柄の一枚だけは、京都撮影所に保存していた昔の着物です。
「衣裳合わせのとき、監督が気に入ってそれを使うことになりました。昔の作品の着物もほぼ保存してあります」という古賀さん。東映京都撮影所は1926年からある歴史ある撮影所で、映画に関する様々な資料や撮影のノウハウの宝庫です。着物も貴重な時代劇の歴史のアーカイブのひとつ。古賀さんはじめスタッフの方々がとても丁寧に着物を取り扱っているから、昔のものをいまに生かすこともできるのです。

古賀さんが今回こだわったのが盗賊装束です。盗賊一味にとって、泥棒装束は正装のようなもの。一見、同じに見える黒装束が、一味によって、すべて色合いや帯を変えて変化をつけているそうです。
「江戸の赤目一味を黒、大阪の夜坂一味を紺色にしています。ふたつの組は反目するので、黒同士だとわからなくなりますから。着物の袖もシルエットで見分けがつくように変えています」

自分たちの一味をつくる弁蔵と宗次が、どのような盗賊装束に身を包むのか、そのあたりも意識して、作品をお楽しみください。

ライター 木俣 冬


『ふたがしら』公式サイト→ http://www.wowow.co.jp/dramaw/futagashira/











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